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2011年10月 6日 (木)

原価について中国電力に問い合わせてみた

総括原価方式の元、東京電力では電気料金の原価を過去10年間で6千億円も過大に見積もっていたという報道があった。また、原価には、オール電化推進関係費、広告宣伝費、寄付金、団体費、福利厚生費など電力供給には無関係な費用まで含まれているらしい(こんなものは本来利益から捻出すべきものだ)。
当然ながらこの問題は東京電力だけのものではないはずだ。

そんな時、今月もまた電気料金が上がるというネタを朝の情報番組でやっていた。その中で、毎月の「電気料金のお知らせ」を見れば燃料調整費が前月と比べて幾ら上下するかを確認できると実際の用紙を例に挙げて紹介していた。しかしそのようなものを見た記憶はない。先月分を引っ張り出して確認すると、中国電力では単に今月の燃料調整費を記載しているだけだった。

そこで、原価の件も合わせて中国電力に電話することにした(0120-616-317)。

まずは「電気料金のお知らせ」の件。
番組で紹介していた電力会社(中部電力?)では燃料調整費の増減が記載されていてわかりやすい。番組中ではどの電力会社でも確認できるという前提で話が進んでいたが中国電力にはない。さらに電気料金の内訳も中国電力より詳しかったので、他社を参考にもっと客の立場に立ったものに変えて欲しいことを話すと、上に上げて検討するというお決まりの回答だった(まあ当然だろう)。

引き続き、原価についても聞いてみた(こっちが本題)。
東京電力の件をざっと説明して、中国電力では電気料金算出の根拠となる原価を公開していないのかを尋ねた。すると、少し待たされた後、担当がいないというので折り返し電話してもらうことになった。

数時間後、約束通り電話があり、過去のプレスリリースを紹介された(電気料金の見直しについて(2008年7月29日))。しかし人件費・その他経費などと大雑把に記載されているだけで、福利厚生費や広告宣伝費などの明細はない。これ以外に原価が記載された文書はないらしい。
回答は不満だったが、対応には好感が持てた。

原価の内訳については中国電力でも東京電力と同様で、例えば人件費には福利厚生費が含まれているらしい。しかし金額が公表されていないので、仮に福利厚生に500億円使ってもわからない。非常識な使い方はしていないと言っていたが、電力会社の常識が一般社会の非常識であることは、一連の東京電力に関する報道を見れば明らかだ。原発立地の自治体への匿名の寄付金という薄汚れた出費もある(寄付金については何も言えないと即答した)。

競争下にあり価格決定に市場の影響を受ける一般企業と違い、電力会社は自身の都合で電気料金を決定できる独占企業だ。法律上経済産業大臣の認可が必要となっているが、経済産業省にとって電力会社は大事な天下り先。当然、審議会の人選も電力会社に都合の良く行われる。過去の原価計算が適正だったかの検証も行われていない。
こんないい加減な仕組みでは電気料金が他国に比べて著しく高くなるのは当然だ。産業に不可欠な電気の値段は、当然生産や販売のコストに反映される。

本来、経済産業省は国際競争力を高めるために電気料金引き下げに努めるべきだが、省益に走って電力会社の共犯となっている(他の省庁も省益優先という点では同じだが)。
経団連も国際競争力を言うのなら、バカの一つ覚えのように法人税引き下げばかり言うのではなく電気料金引き下げも一緒に求めるべきだが、利権絡みで声を上げない(電力会社は大切なお客様)。
フクシマの後でも目先の利益のために原発誘致を選択した上関町民のような人々もいる(上関原発について言えば、そもそものスタート時から条件が厳しくなる直前に滑り込みで認可を受けるという汚い手段が取られている)。

日本人は、いつからこんなに醜くなってしまったのか。

こんな時に思い出すのが悪貨は良貨を駆逐するという言葉だ。本来の意味とは違うが、組織においても社会においても個人の利益だけしか考えない下劣な人間ばかりが蔓延って、組織や社会が腐敗していく様をよく表している。

電力会社にも競争が必要だが、発送電分離などを実現するには時間がかかる。
せめて電力会社は原価の明細などの情報公開を進めて、客がチェックできるようにしてもらいたい。後ろめたいことがなければ公開できるはずだ。そうして少しでも客の理解が得られるように努める義務がある。

それでも電力会社が変わらなければ、行動するしかない。

節電して、電力会社の収入を減らそう。
オール電化はやめて、ガスや石油も使おう。
疑問や不満があれば、すぐに電話しよう。
停電があったら、きっちり文句を言おう。
ミスがあった時には、自宅に呼びつけて謝罪させよう。

こうして小さいながらも自分の声を相手に届けることが大切だと思う。

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